本堂建設しちゃった 解体篇6【サイドストーリー 屋号】

がらーんとなった本堂。まだ電気はつながっているので、お寺に来られた方には解体前に見れる貴重な本堂の姿ですよーと言って本堂の内陣まで見てもらうにしていた。
通常、浄土真宗の内陣は僧侶しか立ち入れないが、ご本尊もなければ、仏具も何もないので、いろんな方向から360年の歴史を感じてもらいたかったのだ。


そんな8月のある日。夕方に仏教壮年会の会長さんがフラッと来られた。

荷物を搬出した日は仕事だったので、がらーんとした本堂は初めてになる。
その本堂でいろいろ立ち話をしていて、せっかくだから内陣もよかったらどうぞ、と勧める。

 

ちょうどご本尊の前で立ち話をしていた時のこと。
金色のベニヤ板をはがし、壁が見える状態になっていたのを見ながら和紙の話になった。

IMG_6006 画像小さめ.jpg

 

壁との間に和紙を挟んでベニヤ板を張り付けるが、その和紙がむき出しになっている。しかもその和紙は上等なものではなく、時代的に和紙が大切なものであったので、他で使ったものを再利用して使っていた。

その和紙には金額と名前が書かれている。それは法要時の懇志の記録であった。それも江戸時代のことなので、名字がまだ一般的に使われておらず、当時は「屋号+名前」という表記をしていた。

 

父親がそんな説明をしていると、会長さんが「あーっ!!これうちの屋号!」。

 

ご本尊の真裏にある和紙に自分のご先祖さまの名前があったということで、記念に持って帰られた。

 

自分たちが想像もつかない前からのお付き合いがあったということ、その深いつながりをお互い感じた時間だった。


これも本堂を解体ということがなければ発見することもなかった。そう考えると、解体はさみしいことばかりではないんだね。

この会長さん、お寺の建て替えに尽力いただいているけど、よくお聴聞もされる。
「この柱はどれだけのお念仏が染み込んでいるんでしょうねぇ」そう言って帰られた。

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